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デジタル時代のプリント品質 その1

 ミニラボ店様の気になる技術情報をお届けするこのコーナー。
 今回、Graceコミュニティカラーセミナーでご紹介いたしました「デジタル時代のプリント品質」についてお届けします。
 このテーマは、デジタル化の波がますます強くなる中、少しでも皆様のお役に立てればと考え取り上げました。

 今回から3回に分け順次ご紹介してまいりますが、第1回目は、写真業界のデジタル化の状況と、撮影画像が、従来のネガフィルムからデジタルになりどう変わるのかという観点でご紹介いたします。 

【写真業界のデジタル化の状況】
 まずは、最近の写真業界のデジタル化の状況といたしまして、「カメラ出荷量の推移」、「フィルム出荷量の推移」、「一般家庭でのデジタルカメラ及びパソコンの普及率」をご紹介いたします。

1.カメラ出荷量の推移
 ここ5年間で見ると、デジタルカメラの総出荷量は、2007年に1億台を超え、2008年のデジタルカメラ出荷台数は、約1億2千万台(119,756,808台)であり、その内一眼レフタイプが約9百万台となっています。(総出荷量グラフ参照)
 国内出荷台数は、約1千百万台、その10%強にあたる約125万台が一眼レフタイプとなっており、一方のフィルムカメラは、2007年を最後に出荷統計を終了するまでに、減少している状況となっています。(国内出荷量グラフ参照)
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Source:カメラ映像機器工業会(CIPA)

2.フィルム出荷量の推移
 カラーフィルムの出荷量は、特に2001年度以降落ち込みが続き、ピーク時の1997年と比べると8分の1近くまで減少しています。このことからもデジタルへ急速に移っている事が分かります。(カラーフィルムの国内出荷量グラフ参照)
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(Source:経済産業省化学工業統計、財務省貿易統計データ)

3.一般家庭での「デジタルカメラ」と
「パソコン」の普及率

 デジタルカメラとパソコンの一般家庭での普及率から見ると、2009年3月期でのデジタルカメラ普及率は69.2%で、3軒に2軒以上の家庭がデジタルカメラを所有していることになります。また、パソコンについても、普及率73.2%と高い普及率となっております。
 これらのパソコン全てが画像編集に適しているとは限りませんが、画像を編集加工出来る環境や様々なバリエーションプリント、更にはプリント以外での写真を楽しむ環境が調っているといえます。(デジタルカメラとパソコン普及率グラフ参照)
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(Source:内閣府消費動向調査、主要耐久消費財等の普及率(一般世帯)) 

【画像データの多様化】
 従来のネガフィルムでは、撮影画像というのは大きくはネガフィルムの写真特性によってほぼ決まっていたものですが、それがデジタルになりどう変わるか、プリント仕上げの観点から見た違いを見ていきたいと思います。

 これまで写真撮影の主流であったネガフィルムの場合、お客様には、撮影した時の記憶しかなく、撮影した画像イメージはお店プリントが仕上がらないと見られませんでした。
 また、リバーサルフィルムなどの場合を除き、直接プリントと見比べる対象となる画像がお客様の手元にないため、プリント仕上がりに対する不満は、それほど多くなかったと思われます。
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 一方デジタルカメラでは、プリントを手にせずともデジタルカメラ背面のビューモニターや家庭用テレビ、パソコン画面で、画像を見ることができます。
 つまり、お客様は、プリントが出来上がってくる前に、画像のイメージを持っていることになります。また、プリントが出来上がった後に、ご自分のパソコンモニターの画面等とプリントを見比べる事も出来ます。
 このように撮影した画像に対して、プリント前のイメージと実際のプリントとの違いを認識しやすくなっているために、ネガから仕上げた場合よりも、出来上がったプリントに対する不満は出やすくなると考えられます。
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 次回は、ご来店頂くお客様の環境がこのように変わる中、持ち込まれる画像データがどのようになるのか、またそのような画像データをプリントする際に意識しておくべき注意事項等をご紹介いたします。
2009年12月24日掲載