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処理量の減少に対する対応方法 その1

 今回より処理量の減少に対する実際の対応方法について、数回のコラムを使ってご紹介いたします。初回となる今日はミニラボのコンディションを把握する基本的な目安である、「回転率」についてご説明しましょう。


●「回転率」とは

   回転率と言えば、お店の商品の売れ行きなどの例を思いだすかもしれませんが、ここではミニラボの処理タンクに対する補充状態の指標です。

回転率

 上図のように、9Lの処理タンクを持つプロセサーに毎日0.3Lの補充があった場合、1ヶ月(30日)のトータル補充量はタンク容量と同じ9Lとなります。この場合、処理タンクの液が全て補充液に入れ替わったと見立てることができ、この時の回転率を1回転と表します。


●回転率からみる処理液の状態

 回転率は、処理液のコンディションを把握する目安です。
 回転率が高いと処理液の状態は良くなり、(→補充液が次々に入る為、元気な状態)
 回転率が低いと処理液の状態は悪くなります。(→古い液がタンク内に滞留して弱った状態)つまり回転率をみれば、少処理に対する対応の必要性について下表の様に判断できるようになります。

 回転率が1.0 回転以上: 少処理対応(補充量UP 等)の必要はありません。

 0.7~0.9 回転: 定期的にコンストを処理して、現像レベルの変動に注意を払う必要があります。

 0.4~0.6 回転: 定期的にコンストを処理して、少処理対応を行う必要があります。

 0 ~0.3 回転: 定期的にコンストを処理して、少処理対応を行う必要がある他、液の状態によっては処理液の交換が必要となります。

*具体的な少処理対応の方法については、代理店等の担当窓口よりご相談ください。


●回転率の算出方法

 回転率の算出方法ですが、次の式で求める事ができます。

回転率= ① 1ヶ月当りの総処理量 x ② 1m当りのCD補充量 ÷ ③ CDタンク容量


① 1ヶ月当たりの総処理量(メートル):
 現像処理した135フィルムの長さを集計します。(24枚撮りは約 1m)

② 1m当たりの補充量(メートル):
 現在プロセサーに設定されている処理剤の補充量を代入します。

例) MFC-12: 18.0 ml(135)
   FSJ(LR2): 16.6 ml(135)

③ CDタンク容量(リットル):
 ご使用中のプロセサーにより異なります。


 お気づきになった方もいると思いますが、上記の式の様にCD補充量とCDタンク容量で回転率を求めると、補充量やタンク容量の違うBL(N2)、FIX(N3)、STB (N4)とは計算結果(回転率)が異なるのではないか?という疑問がでてきます。

 答えはその通りで、通常の場合、回転率はCD(N1)タンクの値を主に扱います。
 それはCD(N1)が、発色現像液としてフィルム現像時の特性に影響を与えている最も重要なパートであることに加え、CD(N1)の回転率がわかれば、他のBL(N2)、FIX(N3)、STB(N4)の液についてもその関係(比例)より、概ね状態がわかるからです。

 例)各タンクの回転率の比が(CD:BL:FIX:STB =1:0.5:2:3)の時、CDの回転率が0.5回転のお店における他液の回転率は、以下の様な状態と考えられる。
   CD:BL:FIX:STB = 1 : 0.5 : 2 : 3
              = 0.5 : 0.25: 1 : 1.5 (CD:0.5 回転時)
 注意:上記は例であり、CDと他液との回転率の比は実際の処理液により異なります。


●実際に回転率を求める

 前の項で説明した方法は、正確な回転率を求めるためのものですが、実は回転率の求め方については、もう少し簡略化した計算でも誤差が大きくなければ問題ありません。
 そこで便利な「回転率カンタン計算ツール」を以下にご用意しましたので、ぜひご活用ください。

【回転率カンタン計算ツール】
・使い方
 以下の項目を入れて、最後に「計算する」ボタンをクリックしてください。

①現在ご使用の処理剤を選択してください


②現在ご使用のミニラボを選択してください。


③1ヶ月の処理本数を入力してください。





回転率:

診断結果:

注意:補充量はメーカー基準量で計算しております。(補充量の増減は上記結果に反映されておりません)
ここで診断された具体的な少処理対応の方法については、代理店等の担当窓口よりご相談ください。


●まとめ

 デジタルカメラが普及する以前はフィルムの処理量が多く、回転率も現像レベルの維持に心配のない1回転以上のお店が多くを占めておりましたが、前回のコラムにてご紹介した市場調査の結果(平均0.58回転)のように回転率が下がってまいりますと、恐らく半数以上のお店で現像レベルに不安を感じておられるのではないかと思います。
その様な時は、まず回転率をチェックしてみましょう。早期に適切な処置を施すことができれば、現像レベルの低下を未然に防いだり、 面倒なタンク液交換を減らすことができます。
 また何より、最適な状態で現像したフィルムとそのプリントをお客様に提供することは、他店と比べ品質面で優位性をアピールでき、お客様の信頼を得ることに繋がると思います。

 何度も書いておりますが、回転率はお店にあるフィルム現像機(ミニラボ)のコンディションを把握するための最も簡単な目安です。少処理対策のはじめの一歩として、気軽に先のカンタン計算ツールをお試し頂ければ幸いです。
 次回は、コントロールストリップについてご紹介します。

 引き続き、当コラムを宜しくお願い申し上げます。

2008年9月8日掲載

2015年1月27日更新