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市場のフィルム現像レベルの調査結果報告

 ミニラボ店様の気になる技術情報をお届けするこのコーナー。
 今回は、先般一部のお客様にご協力を頂きました、市場のフィルム現像レベルの調査結果についてご報告したいと思います。
 この調査は、デジタルカメラの普及で減少が続いているフィルム処理量の実状と、それに伴うミニラボ店様でのフィルム現像レベルの状態を把握することで、何かお役に立てる情報をご提供できればと思い実施いたしました。

●調査方法
調査対象
 日本全国で弊社のカラーネガフィルム処理剤(MFC-11及びFSJ-LR2)をご使用頂いているミニラボ店様から無作為に抽出しました。(機種別の配分のみ考慮)
  有効回答数: 73店
調査時期
 2008年3月
調査方法
 ①フィルム処理の実状を把握するためのアンケート
 ②コントロールストリップ(未現像フィルム)による現像レベル調査
 では、気になる調査結果について、ご説明して参りましょう。

●調査結果 
①ミニラボ店様でのフィルム処理の実態
 各ミニラボ店様でのフィルム処理の実態を知るためにアンケートでは処理量(フィルム本数)をご記入頂きましたが、それをグラフにしてみました。

■1ヶ月当りの処理本数の割合
Data1_2 


 1ヶ月の処理本数が150本以下のお店が11%、151~300本のお店が41%、301~450本のお店が23%と、ここまでで全体の約75%を占めています。また最も多いケースの処理本数(平均的なお店の処理本数)は、300本/月(約12本/日)でした。
 300本/月の処理量では1日当たりのCD補充量は約200mlにまで減少してしまいます。その分オーバーフローとして排出される廃液も少なくなりますので、この様な状態では、「各タンク液の濃縮」や、「新陳代謝が進まないことによる処理液の劣化」が起こっているものと考えられます。 

②フィルム現像レベルの状況
 コントロールストリップには現像レベルを管理する上で目標となる管理範囲が設定されていますが、今回の調査においてはこの管理範囲を外れる店舗が全体の81%を占める等、現像レベルの悪化が多くの店舗で見られました。

■コントロールストリップを使った
現像レベルの判定結果
Data2_2 

 コントロールストリップ測定の結果として、現像レベルが管理範囲外と判定される事がそのまま処理液の致命的な異常と判断される訳ではありませんが、何の対処も行わずにそのまま放置すれば、やがて処理液交換等の重大な事態を招く事になります。また、何よりもプリントを注文されたお客様に対して自信を持ったサービスを提供することができません。
 管理範囲外のお店が81%を占めるという現状を踏まえ、「自分の店は大丈夫だろうか?」という意識を持って頂くことが大切だと思います。

■管理範囲外と判定された店舗の傾向

Data3_2_3


 

 管理範囲外の店舗で最も多かったのは、「カラーバランスの崩れ」で41%の店舗が該当しました。次いで「カブリ(Dmin)の上昇」が22%、「現像レベルの上昇」が20%となっています。 
  3色のカラーバランスが崩れるとプリンターで補正を加えてもきれいな仕上がりのプリントを得る事は難しくなってしまいます。 
 この様なカラーバランスの崩れは、主にCDタンク液が濃縮している場合に起こり易い現象なので、市場のランニング液もその傾向が強いと推測されます。
 
●まとめ
 さて皆様いかがでしたでしょうか.
 今回の調査で明らかになったことは、フィルム処理量の減少は確実に進行しており、それに伴って現像レベルに問題を抱えるお店が非常に多くなっているという事です。
 処理量の減少によって引き起こされる影響には、これまで「補充量が減るために起こる影響(例えば濃度が下がったり、ベースの色が濁ったりなど)」が良く知られていましたが、他に「蒸発による影響(処理液の濃縮によるカラーバランスの崩れなど)」も大きいことが今回の調査結果に表れており、今後ミニラボ店様にて良好な現像処理を行って頂くためには、それぞれの問題に見合った種々の対策方法をご提供することの必要性を再認識する内容となりました。

 次回は、それら「処理量の減少がもたらす影響について」をテーマに、資料を交えながら詳細をご紹介したいと思います。引き続き、当コラムを宜しくお願い申し上げます。

2008年6月4日掲載